不妊治療・相談

不妊治療・相談 2018-07-26T21:03:24+00:00

不妊治療について

不妊症の定義について、以前は「避妊をしない性交をして2年間経過しても妊娠しない場合」とありましたが、現在では「妊娠を希望しているが妊娠しない方」というのが一般的になってまいりました。

不妊治療に入る前には必要な検査をして、診断によって提携病院にご紹介することもあります。1人目に関わらず「2人目を妊娠しない」という場合であっても、妊娠に関する不安がありましたら、なるべく早くご来院ください。

タイミング療法

卵管膨大部で排卵した卵子と精子が出会い(受精)、その後受精卵は分割しながら約1週間をかけて子宮に辿り着きます。そして、準備が整った子宮内膜の中に侵入定着(着床)して、はじめて妊娠が成立します。

タイミング療法とは、排卵した卵子が活発な時に(排卵してからの卵子の生存期間は8~12時間とも、12~24時間とも言われています)にタイミングよく性交渉を持っていただき、精子が卵管膨大部に泳いでいくように促す方法です。(精子は卵管の中で48~72時間生存していると言われています)射精された精子の少数は、数十分で卵管内に到着します。

これらが適当なタイミングで行われるためには、排卵の時期を知ることが大切です。その排卵時期を知るのに必要なのが基礎体温の計測です。基礎体温では過去の排卵がいつ起こったのかを把握し、今周期の排卵がいつになるのかを予想するのに役立ちます。

月経が始まった日を月経周期1日目すると、排卵は月経周期の14日目(月経が始まってから14日目)起こります。排卵日、及びその前日に性交渉を持つと妊娠成立しやすくなります。

しかし、排卵の時期は個人差があるため、必ず14日目に起こるとは限りません。また、様々な要因や周期によっても排卵の時期は変化します。

排卵の時期を正確に知るためには、超音波検査により卵胞の大きさを測ったり、血液中のエストロゲンの濃度を測ったりすることが必要です。さらに、頚管粘液の性状や脳下垂体から出るホルモン(LH:黄体化ホルモン)がパルス状に出る時期(LHサージと言われています。LHサージが始まってから24~36時間後に排卵が起こると言われています。)を知ることも必要です。

月経周期の12日目頃より毎日尿を試験紙につけて判定します。判定が陽性に出たら、LHサージが始まった(厳密には既に始まっています。)と判断し、その日か翌日に性交渉をもってもらいます。これがタイミング療法と呼ばれるものです。

超音波検査で卵胞のサイズを測定し、自然周期では直径15~25mm、排卵誘発周期では直径23mm以上になったらLHサージを捕らえ、タイミングを計るのがよいでしょう。

また、排卵が自然に起こりにくい方には、排卵誘発剤などを内服したり、または注射をしたりして排卵を起こすよう卵巣を刺激する必要があります。このような排卵誘発周期でも同じように排卵の時期を知り、タイミングを計り、妊娠へとつなげていきます。

人工授精

タイミング療法で妊娠しなかった場合の次のステップとして行う不妊治療法が人工授精になります。 人工授精というと、非常に特別な治療のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはほんの少し妊娠の入口をお手伝いするだけです。具体的には、細い管を使って子宮頸管をバイパスし、事前に採取しておいた精子を子宮の奥深くに注入します。その後の受精・着床は、自然妊娠と同じです。1回の人工授精で妊娠する方もいれば、数回行って妊娠する場合もあります。5~6回の人工授精での妊娠が難しい場合、それ以降は体外受精へのお話もさせていただきます。 子宮卵管造影の場合には、アルテミスウイメンズホスピタルまたはウイメンズ・クリニック大泉学園をご紹介いたします。

人工授精の安全性

人工授精による胎児異常発生率は、自然妊娠と同じ確率です。精液中には精子のほかに白血球、微生物やゴミなども存在しています。これらの調整や抗生剤内服により、母体への感染症などのリスクを減らした上で、人工授精を施行しております。

人口授精が必要な人は?

  • タイミング療法で妊娠しなかった方
  • 男性不妊症の場合
  • フーナーテストの結果から、人工授精が必要と診断された方
  • 性交不能の場合
  • できるだけ早く妊娠したいなど、ご本人からの希望

人工授精の流れ

人工授精によって妊娠する確率は、10数パーセントです。そのため、人工授精をしたからといってすぐに妊娠するわけではありません。人工授精の流れは以下の通りです。

 

超音波で排卵タイミング予測して、適切と思われる日にご主人の精子をお持ちください。

精子の検査をして、培養液で処理をして人工授精を行います。

当日は普通に過ごしてください。人工授精を行った後、少し痛みを伴う場合もあります。(頸管を広げるため)

その後の期間は普通に過ごしていただきます。

人工授精後、3週間経過後に来院してください。人工授精の回数は3~6回が目安です。

なお、妊娠した場合には3週間前後で結果がわかります。